今回は、「やりたいことをやる」重要性について考えてみました。
こんな方に向けて書いています。
・小学生~高校生の平均的な学習時間について知りたい方
・「やりたいこと」が見つからず困っている方
・新学習指導要領について少し知りたい方
拙文ですが、少しでも何か発見があれば幸いです!
「何をすればいいかわからない」に陥らないために
まずは、平均的な学習時間のまとめから。何か実現したいことがあるならば、そしてそのために勉強が必要ならば、努力を相対化し、生活や学習習慣を見直すために使ってみてください。
そもそも、学校での授業時間はどのぐらい?
まず、小学生~高校生のみなさんにとって生活の中心になるのは学校。そこでの授業時間が生活の中のどのぐらいを占めるかを見てみましょう。
学習指導要領では、小・中・高の時限数は以下のように定められています。
・小4~小6は年間980時限(1時限45分を基本とするため=年間で735時間)
・中学生は各学年年間1015時限(1時限50分を基本として=年間で846時間)
・高校生は週30単位時間を基準とするため、(30単位×35週=1050単位時間=875時間)
年間では、活動時間の約12~14%が学校での授業時間ということになります。(長期休みなども含みます)
どうでしょうか。思った通り?意外と少ないでしょうか。いずれにしても、学校のある平日で、50分授業×6回を受けていたとしても、1日約12時間程度は授業以外の時間がある計算になります。
この12時間は、勉強をするにせよ、他のことに打ち込むにせよ、有意義に使って欲しいですよね!
学習指導要領では、小・中・高の時限数は以下のように定められています。
・小4~小6は年間980時限(1時限45分を基本とするため=年間で735時間)
・中学生は各学年年間1015時限(1時限50分を基本として=年間で846時間)
・高校生は週30単位時間を基準とするため、(30単位×35週=1050単位時間=875時間)
年間では、活動時間の約12~14%が学校での授業時間ということになります。(長期休みなども含みます)
どうでしょうか。思った通り?意外と少ないでしょうか。いずれにしても、学校のある平日で、50分授業×6回を受けていたとしても、1日約12時間程度は授業以外の時間がある計算になります。
この12時間は、勉強をするにせよ、他のことに打ち込むにせよ、有意義に使って欲しいですよね!
平均的な学習時間のまとめ
では、多くの子供たちは、学校の授業以外の時間を、どの程度勉強にあてているのでしょうか。東京大学とベネッセ教育総合研究所による調査(「子どもの生活と学びに関する親子調査2017」)から抜粋してグラフを作成してみました。
この中でも、今回は特に以下の2つの点に注目してみます。
この中でも、今回は特に以下の2つの点に注目してみます。
2年生は1年生と比べて勉強時間が短い!?
グラフを見ていただければわかる通り、中・高生では1年生より2年生の方が勉強時間が短いことがわかります。少し意外ですね。
考えれば当たり前のような気もしますが、入学して時間が経ち、生活にも慣れてくると、勉強を頑張ろうとする子とそうでない子で差がついてくるということでしょう。
これだけ見ても、2年生になるまでの間に、いかに自分で考えて学習習慣を付けられるかで、さきほどの「12時間」の使い方が変わってくるかというということがわかります。
逆に言えば、勉強で周囲に差をつけるには、2年生が1つのカギになるということも言えそうです。
考えれば当たり前のような気もしますが、入学して時間が経ち、生活にも慣れてくると、勉強を頑張ろうとする子とそうでない子で差がついてくるということでしょう。
これだけ見ても、2年生になるまでの間に、いかに自分で考えて学習習慣を付けられるかで、さきほどの「12時間」の使い方が変わってくるかというということがわかります。
逆に言えば、勉強で周囲に差をつけるには、2年生が1つのカギになるということも言えそうです。
「与えられる」ことは減っていく
もう一つ注目したいのは、宿題にあてる時間と割合です。小学生で40~50分程度、中学生~高校生で50~60分程度の宿題に毎日取り組んでいるようです。
この時間は中学1年生と高校1年生が少し長く、割合を見れば、学年が上がるごとに下がっていくことがわかります。つまり、「与えられる」ことの量は1年生から2年生になると減っていく、ということです。
2年生になり、勉強を頑張ろうと思ったら、「与えられる」以外のことを自分で考えて進めていく必要があります。
これが意外と難しいもので、内容もどんどん難しくなり、また復習すべき既習単元も増えていく中で、ともすれば、「何をすればいいのかわからない」なんてことに…。そうならないためには、早いうちから、自身の状況をしっかり分析して、学習習慣を確立していくことが求められます。
同時に、目標をいかに持つか、ということもやはり必要です。自分の進む道は、早めに考えて動き出せるほど、有利に戦略を立てることができるのは言うまでもありませんし、目標は人に推進力を与えますから。
この時間は中学1年生と高校1年生が少し長く、割合を見れば、学年が上がるごとに下がっていくことがわかります。つまり、「与えられる」ことの量は1年生から2年生になると減っていく、ということです。
2年生になり、勉強を頑張ろうと思ったら、「与えられる」以外のことを自分で考えて進めていく必要があります。
これが意外と難しいもので、内容もどんどん難しくなり、また復習すべき既習単元も増えていく中で、ともすれば、「何をすればいいのかわからない」なんてことに…。そうならないためには、早いうちから、自身の状況をしっかり分析して、学習習慣を確立していくことが求められます。
同時に、目標をいかに持つか、ということもやはり必要です。自分の進む道は、早めに考えて動き出せるほど、有利に戦略を立てることができるのは言うまでもありませんし、目標は人に推進力を与えますから。
「学習歴」時代で求められること
とはいえ、人生は何も、勉強だけではありません。幸せになるためには様々な要素が関係するでしょうし、勉強以外のことに打ち込んで大きく成長する子もたくさんいます。
実際問題、これからの世の中は「学歴」ではなく、「学習歴」の時代になるといわれています。この「学習歴」には、部活、あるいは習い事などの学校外での活動など、勉強以外のことも大いに入るでしょう。
しかし、そうであればなおさら、自分のアイデンティティを人に伝えることが求められます。自分が何を考え、どんなことをしてきた、どんな人間なのか、自分のストーリーを人に語ることが必要です。
つきつめればやはり、自分と向き合うこと。自分で考え、選ぶこと。それが一番大切です。どれだけ時間がかかり、大変なことでも、それがなければこれからの人生を切り開くのは難しいでしょう。
実際問題、これからの世の中は「学歴」ではなく、「学習歴」の時代になるといわれています。この「学習歴」には、部活、あるいは習い事などの学校外での活動など、勉強以外のことも大いに入るでしょう。
しかし、そうであればなおさら、自分のアイデンティティを人に伝えることが求められます。自分が何を考え、どんなことをしてきた、どんな人間なのか、自分のストーリーを人に語ることが必要です。
つきつめればやはり、自分と向き合うこと。自分で考え、選ぶこと。それが一番大切です。どれだけ時間がかかり、大変なことでも、それがなければこれからの人生を切り開くのは難しいでしょう。
勉強は、「やらなければならないこと」?
よく、ビジネスの世界でも、Will・Can・Mustで自己分析を、ということがいわれます。
「やりたいこと」を考え、「できること」を増やし、「すべきこと、求められること」を突き詰めて、その共通領域を見つけられれば最も力を発揮できるというものです。
これを、「人生」という壮大なテーマで考え始めると、大変難しいことになります。やりたいことはゲーム、すべきことは勉強…、できることはスポーツ…?その共通領域って何…?なんてことになるでしょう。
そうではなくて、もう少し一つ一つのテーマで考えてみれば、見えてくることがあります。「やりたいこと」が一つであるわけはないですから。勉強、スポーツ、芸術などの文化的取り組み、友人との関係…そのそれぞれの分野で、「やりたいこと」「できること」「すべきこと」を考えてみるとよいかと思います。
このとき、興味のあることから気軽に考えていくといいですよね。ざっくばらんに、気軽に、思いついたことを書き出して、楽しい未来を想像できればそれでよいでしょう。
「やりたいこと」がなければ、「できること」や「すべきこと」の円を大きくすればいい。そうすれば、いつか「やりたいこと」ができたときに、共通領域を見つけやすくなります。走りながら、寄り道をしながら、少しずつ見つけていく、ということも必要でしょう。それだって立派な「学習歴」です。
いずれにせよ、勉強は「やらなければならないこと」で片づけず、少し自らと向き合う時間を取る。それこそが、今求められていることだと感じます。
「やりたいこと」を考え、「できること」を増やし、「すべきこと、求められること」を突き詰めて、その共通領域を見つけられれば最も力を発揮できるというものです。
これを、「人生」という壮大なテーマで考え始めると、大変難しいことになります。やりたいことはゲーム、すべきことは勉強…、できることはスポーツ…?その共通領域って何…?なんてことになるでしょう。
そうではなくて、もう少し一つ一つのテーマで考えてみれば、見えてくることがあります。「やりたいこと」が一つであるわけはないですから。勉強、スポーツ、芸術などの文化的取り組み、友人との関係…そのそれぞれの分野で、「やりたいこと」「できること」「すべきこと」を考えてみるとよいかと思います。
このとき、興味のあることから気軽に考えていくといいですよね。ざっくばらんに、気軽に、思いついたことを書き出して、楽しい未来を想像できればそれでよいでしょう。
「やりたいこと」がなければ、「できること」や「すべきこと」の円を大きくすればいい。そうすれば、いつか「やりたいこと」ができたときに、共通領域を見つけやすくなります。走りながら、寄り道をしながら、少しずつ見つけていく、ということも必要でしょう。それだって立派な「学習歴」です。
いずれにせよ、勉強は「やらなければならないこと」で片づけず、少し自らと向き合う時間を取る。それこそが、今求められていることだと感じます。
新学習指導要領の3つの柱
実はこのWill・Can・Mustの話は、平成29年・30年に改訂された学習指導要領のいう3つの柱ともよく似ているように私は感じます。
新しい学習指導要領では、以下のことが「生きる力」を育むための3つの柱として挙げられています。
少し強引な解釈かもしれませんが、「学びに向かう力」は「やりたいこと」、「知識や技能」は「できること」、「思考力・判断力・表現力」は「すべきこと(自身の問題点や状況を分析・判断し、求められる納得解を導き出し、解決の方法を言語化する)」と置き換えられます。
今回の学習指導要領は特に、社会からの要請も大いに盛り込んでいるでしょうから、こうした力は、今後社会に出ていく子供たちが求められる力といっても過言ではありません。
新しい学習指導要領では、以下のことが「生きる力」を育むための3つの柱として挙げられています。
少し強引な解釈かもしれませんが、「学びに向かう力」は「やりたいこと」、「知識や技能」は「できること」、「思考力・判断力・表現力」は「すべきこと(自身の問題点や状況を分析・判断し、求められる納得解を導き出し、解決の方法を言語化する)」と置き換えられます。
今回の学習指導要領は特に、社会からの要請も大いに盛り込んでいるでしょうから、こうした力は、今後社会に出ていく子供たちが求められる力といっても過言ではありません。
まとめ -だから、「やりたいこと」をやりましょう!-
ここまでみてきたことをまとめます。
・勉強もそれ以外も、「与えられる」ことは減っていく。主体的に取り組むべきことを決めていく力で、中学2年、高校2年に差が付き始める。
・「学習歴」時代においては、自己を分析し、アイデンティティを他者に語る力が求められているが、それは別に、勉強でなくてもOK!
・だから、勉強をただ「やらなければならないこと」で終わらせず、立ち止まって考える。その力こそ、今後社会から求められる力であり、幸せに生きるために必要な力だ
Will(やりたいこと)は、一人ひとりの中にしかありません。たとえ家族であっても、それを決めることはできません。だからまずは、自分の「やりたいこと」に勇気をもって一歩踏み出せば、何か見えてくるものが、開けてくる道があります。
繰り返しになりますが、それは勉強でも、勉強以外のことでもいいと思います。学習指導要領の3つの柱にも、「勉強」なんて言葉は、一言もでてこないですから。
一人ひとりの目指す未来のために、学校の授業以外の自由な時間が85%以上もあります。「やりたいこと」にあて、実現するために「できること」を増やす。「すべきこと」を考える。
それが勉強なら、周囲の平均学習時間を上回る努力は必要でしょう。それが勉強でないなら、他の道を真剣に考えてみる。
そんなみなさんの「やりたいこと」を実現するための手助けができれば、とても幸せなことだなぁなどと考えながら… 今日はこの辺りで。長文にお付き合いいただきありがとうございました!
・勉強もそれ以外も、「与えられる」ことは減っていく。主体的に取り組むべきことを決めていく力で、中学2年、高校2年に差が付き始める。
・「学習歴」時代においては、自己を分析し、アイデンティティを他者に語る力が求められているが、それは別に、勉強でなくてもOK!
・だから、勉強をただ「やらなければならないこと」で終わらせず、立ち止まって考える。その力こそ、今後社会から求められる力であり、幸せに生きるために必要な力だ
Will(やりたいこと)は、一人ひとりの中にしかありません。たとえ家族であっても、それを決めることはできません。だからまずは、自分の「やりたいこと」に勇気をもって一歩踏み出せば、何か見えてくるものが、開けてくる道があります。
繰り返しになりますが、それは勉強でも、勉強以外のことでもいいと思います。学習指導要領の3つの柱にも、「勉強」なんて言葉は、一言もでてこないですから。
一人ひとりの目指す未来のために、学校の授業以外の自由な時間が85%以上もあります。「やりたいこと」にあて、実現するために「できること」を増やす。「すべきこと」を考える。
それが勉強なら、周囲の平均学習時間を上回る努力は必要でしょう。それが勉強でないなら、他の道を真剣に考えてみる。
そんなみなさんの「やりたいこと」を実現するための手助けができれば、とても幸せなことだなぁなどと考えながら… 今日はこの辺りで。長文にお付き合いいただきありがとうございました!