だんだんと秋らしい気候になり、冬と一緒に入試が近づいてきました。
昨年から順次新しい学習指導要領が実施され、伴って大学入学共通テストが始まり、さらに2025年の入試からは新指導要領に則ったテストに変わります(9月29日に大学入試センターから大綱が発表されました)。
今年度、入試を控えている受験生にとっては当然のことながら、先々を見据えた対策も考えておかなくてはなりません。
そこで今回は、「変わる入試」というテーマで、まずは大学入学共通テストについて書いていきたいと思います。
<こんな方に向けて書いています>
・大学入学共通テストについて「ざっくり」と重要なポイントだけ知りたい方
・今年受験を迎える受験生だけではなく、先々を見据えて対策を考えたい方
主な変更点のまとめ
2021年1月の入試から、センター試験に代わって大学入学共通テストが導入されました。
まずは、必ず知っておきたい主な変更点・留意点をまとめます。
2021年度入試(21年1月入試)
※共通テスト導入
・各科目思考力/判断力 を問う問題に
・リスニング/リーディングが50:50に
※答申では記述式の可能性が示唆されましたが、結局導入されず、今後も今のところは記述式の導入予定はありません。
↓
2022年度入試(22年1月入試)
・昨年の方針を踏襲
↓
2025年度入試(25年1月入試)
・情報Ⅰが追加
・国語のテスト時間が90分に
・社会の科目が変更
・数学ⅡBに、数学Cが追加
以下で、それぞれについて補足をしていきます。ご存知の情報は読み飛ばしながら、気になるところだけチェックしてみてください。
まずは、必ず知っておきたい主な変更点・留意点をまとめます。
2021年度入試(21年1月入試)
※共通テスト導入
・各科目思考力/判断力 を問う問題に
・リスニング/リーディングが50:50に
※答申では記述式の可能性が示唆されましたが、結局導入されず、今後も今のところは記述式の導入予定はありません。
↓
2022年度入試(22年1月入試)
・昨年の方針を踏襲
↓
2025年度入試(25年1月入試)
・情報Ⅰが追加
・国語のテスト時間が90分に
・社会の科目が変更
・数学ⅡBに、数学Cが追加
以下で、それぞれについて補足をしていきます。ご存知の情報は読み飛ばしながら、気になるところだけチェックしてみてください。
そもそも大学入学共通テストって?
大学入学共通テストとは「大学に入学を志願する者の高等学校段階における基礎的な学習の達成の程度を判定することを主たる目的とするもの」であり、「センター試験」の後継にあたります。
詳しい情報は、「大学入試センター」のHPに記載(下記リンク)がありますが、毎年1月に実施され、国公立大学では大学独自の入試と共通テストの合算で合否を判定する場合が多く、私立大学では「共通テスト利用」といわれる、共通テストの点数のみで出願できる制度もあります。
昨年から変更された理由ですが、近頃よく耳にする「思考力・判断力・表現力」というキーワードが関係しています。「思考力・判断力・表現力」とは、新しい学習指導要領(「生きる力」2020年4月~小学生で、2021年4月~中学生でそれぞれ実施がスタートしており、2022年には高校生にも実施がスタートします)に記載があり、知識偏重の教育からの進化を求めて示された方針です。
これら3つの力は全て「課題を解決するために必要な」力とされています。今回の学習指導要領では一貫して、実社会を想定した力の育成を基本的な考えに置いており、課題の発見→解決の過程の中で、知識だけではなく、これら3つの力や、あるいは主体的に取り組む力の必要性が説かれています。
センター試験から大学入学共通テストに変更されたことも、上記のような考え方を反映した結果です。
そのため、入試内容もなるべく実社会に近い内容をもとにした文章や資料から、課題を抽出し、それを解決するための思考法を問うような問題が多くなっています。また、英語では、実用的な場面を想定し、「読む・聴く」能力を測るためリスニングとリーディングが50:50の配点に変更されました。
詳しい情報は、「大学入試センター」のHPに記載(下記リンク)がありますが、毎年1月に実施され、国公立大学では大学独自の入試と共通テストの合算で合否を判定する場合が多く、私立大学では「共通テスト利用」といわれる、共通テストの点数のみで出願できる制度もあります。
昨年から変更された理由ですが、近頃よく耳にする「思考力・判断力・表現力」というキーワードが関係しています。「思考力・判断力・表現力」とは、新しい学習指導要領(「生きる力」2020年4月~小学生で、2021年4月~中学生でそれぞれ実施がスタートしており、2022年には高校生にも実施がスタートします)に記載があり、知識偏重の教育からの進化を求めて示された方針です。
これら3つの力は全て「課題を解決するために必要な」力とされています。今回の学習指導要領では一貫して、実社会を想定した力の育成を基本的な考えに置いており、課題の発見→解決の過程の中で、知識だけではなく、これら3つの力や、あるいは主体的に取り組む力の必要性が説かれています。
センター試験から大学入学共通テストに変更されたことも、上記のような考え方を反映した結果です。
そのため、入試内容もなるべく実社会に近い内容をもとにした文章や資料から、課題を抽出し、それを解決するための思考法を問うような問題が多くなっています。また、英語では、実用的な場面を想定し、「読む・聴く」能力を測るためリスニングとリーディングが50:50の配点に変更されました。
2022年度の大学入学共通テスト
今年度は、昨年度から試験科目や実施方法に大きな変化はありませんが、内容については上述した方向性が踏襲されます。
特に注意すべき点は、「思考力・判断力」を問う傾向に伴い起こっている、以下の変化です。
・総じて、読む「量」が格段に増えている
・文章や図表から速く正確に「要点を読み解く」力が要求される
そのため普段から、文章のみならず図表等についても、読んで、見て、要点をとらえる力を鍛えていく必要があります。例えば、「制限時間を設けながら」教科書のノートまとめを作ってみたり、新聞記事の要約をしてみたりといった練習も効果的でしょう。
とはいえ入試を直前に控えた受験生にとっては、やはり実際の問題の傾向を知り、対策を立てることが最も大切です。共通テスト対策の問題をもとに大問ごとの制限時間をしっかり決め、「制限時間内に」解ききる練習を繰り返し、体に馴染ませていく必要があります。
「大学入試センター」のサイトに掲載されている過去問(以下リンク)や、対策用のテキストなどの中から、自分に合ったものを使いましょう。
もちろん模試もなるべくした方がよいですし、また、GAINでも「秋講座」や「冬期講習」において共通テスト対策クラスを実施していますが、そのような塾等の対策講座に参加することも有効でしょう。
いずれにせよ、「敵を知り己を知る」ことが勝敗を分けますから、入試当日が、「いつもの問題演習」になるぐらい、対策を繰り返すべきです。
特に注意すべき点は、「思考力・判断力」を問う傾向に伴い起こっている、以下の変化です。
・総じて、読む「量」が格段に増えている
・文章や図表から速く正確に「要点を読み解く」力が要求される
そのため普段から、文章のみならず図表等についても、読んで、見て、要点をとらえる力を鍛えていく必要があります。例えば、「制限時間を設けながら」教科書のノートまとめを作ってみたり、新聞記事の要約をしてみたりといった練習も効果的でしょう。
とはいえ入試を直前に控えた受験生にとっては、やはり実際の問題の傾向を知り、対策を立てることが最も大切です。共通テスト対策の問題をもとに大問ごとの制限時間をしっかり決め、「制限時間内に」解ききる練習を繰り返し、体に馴染ませていく必要があります。
「大学入試センター」のサイトに掲載されている過去問(以下リンク)や、対策用のテキストなどの中から、自分に合ったものを使いましょう。
もちろん模試もなるべくした方がよいですし、また、GAINでも「秋講座」や「冬期講習」において共通テスト対策クラスを実施していますが、そのような塾等の対策講座に参加することも有効でしょう。
いずれにせよ、「敵を知り己を知る」ことが勝敗を分けますから、入試当日が、「いつもの問題演習」になるぐらい、対策を繰り返すべきです。
2025年度の大学入学共通テスト
2025年度(令和7年度)からさらに共通テストが変わります。2025年度入試とは、今の中学3年生が高校3年生で迎える入試のことです。来年度から高校で新しい学習指導要領が実施されるため、それに伴って共通テストも変わります。
詳細や、新たに追加される「情報」「歴史総合」「地理総合」「公共」の問題サンプルなどは大学入試センターのサイトに掲載されています。(下記リンク)
ここでは細かい点ではなく、大きな変更点だけを示しておきます。
詳細や、新たに追加される「情報」「歴史総合」「地理総合」「公共」の問題サンプルなどは大学入試センターのサイトに掲載されています。(下記リンク)
ここでは細かい点ではなく、大きな変更点だけを示しておきます。
ポイント① 「情報Ⅰが追加」
新指導要領では、情報社会を生きるための倫理観や、プログラミング・情報セキュリティの基礎知識、情報デザインの基礎等を学ぶことになりますが、これからスタートするところ。どの大学が受験科目として採用するかも未知数です。
内容は、一度理解をしてしまえば恐くありませんが、毛嫌いをしてしまう生徒もいるかもしれません。あまり過剰に反応せず、まずは学校で学びながら、ついていけない、わからない等の状況に素早く対処することが大切です。
また、慣れることが重要な内容でもありますので、プログラミング教室等に参加してみて、まずは楽しく理解する土台を作っておくのもよいかもしれません。
内容は、一度理解をしてしまえば恐くありませんが、毛嫌いをしてしまう生徒もいるかもしれません。あまり過剰に反応せず、まずは学校で学びながら、ついていけない、わからない等の状況に素早く対処することが大切です。
また、慣れることが重要な内容でもありますので、プログラミング教室等に参加してみて、まずは楽しく理解する土台を作っておくのもよいかもしれません。
ポイント② 「国語のテストが90分に」
新指導要領の国語は、「現代の国語」と「言語文化」(共通テストでは「国語」1科目)。「言語文化」では、主に古典を扱いますが、文法等の知識偏重の教育から進化し、古典を解説した近現代の文章なども扱うようになります。
また、「現代の国語」では、より”実用的”な文書(新聞やニュース記事、企画書、法令文など)を題材として扱う機会が増えることになります。テスト時間が90分に伸びることからも、読み解く情報の量や種類がさらに増えることが予測されるため、普段からのトレーニングがより重要になります。
また、「現代の国語」では、より”実用的”な文書(新聞やニュース記事、企画書、法令文など)を題材として扱う機会が増えることになります。テスト時間が90分に伸びることからも、読み解く情報の量や種類がさらに増えることが予測されるため、普段からのトレーニングがより重要になります。
ポイント③ 社会の科目が変更
社会科は、歴史が「歴史総合+日本史探求」or「歴史総合+世界史探求」、地理が「地理総合+地理探求」、公民は「公共+倫理」or「公共+政治・経済」になります。共通テストでは「地理総合+歴史総合+公共」の組み合わせ受験も可能です。
他教科同様に、実社会の課題にいかに対処していくか、といった視点が強くなります。例えば「歴史総合」では現代の課題に最も接続しやすい近現代史を中心に学び、探求科目では数理的な思考も含めて、広い意味で文脈を捉える力が、より要求されるようになります。石川県の公立高校入試でも近現代史は重視されていますが、今後さらに重要な単元になりそうです。
他教科同様に、実社会の課題にいかに対処していくか、といった視点が強くなります。例えば「歴史総合」では現代の課題に最も接続しやすい近現代史を中心に学び、探求科目では数理的な思考も含めて、広い意味で文脈を捉える力が、より要求されるようになります。石川県の公立高校入試でも近現代史は重視されていますが、今後さらに重要な単元になりそうです。
ポイント④ 数学Ⅱ・BにCが追加
新課程では数学Cが復活し、「ベクトル」「複素数平面」「式と曲線」が数学Cに移行します。共通テストでは「数学ⅡBC」となり、「数学B:数列・統計的な推測」と「数学C:ベクトル・平面上の曲線と複素数平面」の中から、3つを選択して解答できる形になるとしています。この変更は、文理選択による理解の格差を減らすねらいがありますが、総じて文系にとっての数学負担が増えることになる点は要注意です(複素数平面は、これまで数Ⅲの分野でした)。
「変わる入試」へ GAINの対応
10年に1度の指導要領変更を迎え、教育の在り方も今大きく変わろうとしています。
私たちも、受験をゴールとするのではなく、受験や勉強を通して人間として成長し、社会に出て幸せを掴むことを後押ししてくことには大賛成です。変わる入試に対応するだけではなく、生徒にとって必要なことであれば、「変えていく」集団でありたいとも思っています。
とはいえ、入試という戦いに勝つための戦略も必要です。
GAINでは、秋講座(10月~12月の日曜)を使った大学入学共通テスト対策の講座や、冬期講習(12月25日~1月7日)での共通テスト対策クラスを行う他、中学生にもクラス・個別を問わず思考力・判断力を育成できるような授業を実施したり、英語の読解力養成に特化したクラス授業を実施したりと、様々な形でアウトプットを行っています。
これからさらに「変わる入試」。勝負の分かれ目は、今かもしれません。
私たちも、受験をゴールとするのではなく、受験や勉強を通して人間として成長し、社会に出て幸せを掴むことを後押ししてくことには大賛成です。変わる入試に対応するだけではなく、生徒にとって必要なことであれば、「変えていく」集団でありたいとも思っています。
とはいえ、入試という戦いに勝つための戦略も必要です。
GAINでは、秋講座(10月~12月の日曜)を使った大学入学共通テスト対策の講座や、冬期講習(12月25日~1月7日)での共通テスト対策クラスを行う他、中学生にもクラス・個別を問わず思考力・判断力を育成できるような授業を実施したり、英語の読解力養成に特化したクラス授業を実施したりと、様々な形でアウトプットを行っています。
これからさらに「変わる入試」。勝負の分かれ目は、今かもしれません。